給湯器には、様々な安全装置が取り付けられています。安全装置は、事故や故障を防ぐための重要な機能ですが、意図せず作動してしまうケースもあるため、事前に各装置の役割や作動する原因などを覚えておかなければなりません。そこでこの記事では、給湯器に取り付けられている代表的な安全装置と、それらが作動する原因、作動した場合の対処法について詳しく解説していきます。
1:給湯器の安全装置とは?
給湯器の安全装置は、火災や一酸化炭素中毒などを防ぐために取り付けられている装置です。特定の条件を満たした場合や、異常を検知した場合は安全装置が作動し、運転が自動的に停止されます。
2:給湯器の安全装置の種類
では次に、給湯器に取り付けられている安全装置の種類について詳しく見ていきましょう。
不完全燃焼防止装置
不完全燃焼防止装置は、給湯器内の酸素が足りなくなった時に作動する安全装置です。酸素が足りていない状態で燃え続けると、一酸化炭素が発生し、結果として一酸化炭素中毒になる可能性が高くなります。この装置が作動すると、即座にガス供給が停止され、給湯器の運転も緊急停止します。
過熱防止装置
過熱防止装置は、給湯器内の温度が高温になった時に作動する安全装置です。給湯器は、経年劣化など様々な理由で温度が異常に上昇することがあり、最悪の場合火災に繋がります。この装置が作動すると、給湯器の運転が自動的に停止するため、火災をはじめとする様々なトラブルを防げるようになるのです。
凍結防止装置
給湯器が凍結すると、お湯が出なくなったり、配管が破裂したりする可能性が高くなります。このようなトラブルを防ぐ役割を持つのが、凍結防止装置です。凍結防止装置が作動すると、自動的にヒーターがつきますので、給湯器の凍結を防ぎやすくなります。
停電時安全装置
停電が起こると、温度管理ができていない状態でガスが供給され続ける可能性が高くなり、
・火災
・一酸化炭素中毒
などのリスクが高まります。
停電時安全装置は、停電が発生した際に強制的にガスの供給と給湯器の稼働をストップしてくれるため、重大な事故を防ぎやすくなるのです。
空焚き安全装置
給湯器が故障する原因の1つに「空焚き」があります。浴槽内にお湯がない状態でお風呂を沸かすと、給湯器や浴槽に負担がかかり、結果的に故障してしまうのです。空焚き安全装置は、このような異常を検知してガス供給を停止してくれるため、浴槽の故障や不慮の事故を防ぎやすくなります。
立ち消え安全装置
立ち消え安全装置は、何らかの理由で火が消えてしまったときに、強制的にガスの供給を停止する装置です。この機能は、ガスコンロにも搭載されています。
過電流防止装置
給湯器内の電流に異常が生じると、電気系統が故障しやすくなります。このようなトラブルを防いでくれるのが、過電流防止装置です。過電流防止装置が働くと、稼働が強制的に停止されるため、電気系統の故障や火災などを防ぎやすくなります。
3:給湯器の安全装置が作動する原因と対処法
では次に、給湯器の安全装置が作動する原因と対処法について、詳しく見ていきましょう。
長時間の使用
給湯器を長時間使用すると、安全装置が作動しやすくなります。具体的には、60分以上連続してお湯を出し続けると、
・エラー01
・エラー05
などが表示される仕組みになっています。自らエラーコードを解除できるケースもありますが、場合によっては業者に連絡を入れて点検をしてもらう必要が出てくることもありますので、お湯の出しすぎや使いすぎには注意してください。
経年劣化
給湯器の安全装置が作動する原因として最も多いのは、経年劣化です。製品によって多少異なりますが、基本的に給湯器の寿命は10年前後であり、10年を過ぎると少しずつ劣化していきます。この経年劣化が原因で、様々な箇所に不具合が生じ、安全装置が作動してしまうこともあるのです。経年劣化によって安全装置が作動した場合、修理もしくは交換が必要になります。とはいえ、確認をしてみないことには経年劣化が原因になっているかどうかの判断ができませんので、まずはメーカーに連絡を入れて点検をしてもらいましょう。
給湯器の安全装置が作動したときにやってはいけないこと
給湯器の安全装置が作動したときにやってはいけないことは、
・再点火
・排気口を塞ぐ
上記2つです。
安全装置が作動すると、基本的には再点火ができなくなります。この状態で無理に再点火すると、内部に溜まった一酸化炭素が爆発する可能性が高くなります。また、排気口を塞いでしまうと、一酸化炭素中毒を引き起こしやすくなりますので注意が必要です。安全装置が作動した場合は、原因を解明する前に排気口や窓を開けて換気をしておきましょう。
4:まとめ
給湯器の安全装置は、事故や故障を防ぐための重要な役割を担っています。ただ、安全装置には様々な種類があり、それぞれで役割や作動条件が異なります。急に作動してしまった際に慌てないためにも、事前に各装置の特徴を理解しておくことが大切です。万が一給湯器が作動した場合は、速やかにメーカーに連絡を入れて点検してもらうことをおすすめします。