予算オーバーしない家づくり｜給湯器だけレンタルという選択

キッチンやバスルームなどは見た目や使い勝手の違いが分かりやすく、施主も積極的にこだわるポイントです。しかし給湯器に関しては、設置後は屋外で目につきにくく、存在感も薄いために重視されにくい傾向があります。

とはいえ、給湯器は日々のお風呂・炊事・洗面などに不可欠であり、その稼働頻度は非常に高いもの。しかも購入には本体代＋設置費で20〜30万円のまとまった支出が発生します。

しかしながら、給湯器は10〜15年程度で交換が必要になる消耗品でもあり、将来的には再度同等の出費が必要になります。このように、目に見える効果を実感しにくい割に出費は大きく、「もっとコストを抑えられたのでは？」と後悔の残りやすい設備の一つとも言えるのです。

だからこそ、「給湯器だけはあえてレンタルにして費用を分散させる」という方法が、限られた予算の中で賢くやりくりするための現実的な選択肢となってきています。

給湯器をレンタルする最大のメリットは、なんといっても初期費用がかからないことです。ほとんどのレンタルサービスでは、設置費や本体費を含めて月額料金に組み込んでおり、一括購入と違って住宅ローンに含めずに済むのがポイントです。

これにより、浮いた予算を別の優先設備に回したり、キッチンや床材のグレードアップに使ったりと、家づくり全体のバランスを見直す余裕が生まれます。

また、レンタル契約では万が一の故障時にも無償修理や交換が含まれていることが多く、ランニングコストの変動も小さいのが特徴です。たとえ10年後に故障したとしても、大きな出費がないため、長期的にも資金計画が立てやすくなります。

「初期費用を抑えて、万一のリスクにも備えられる」──これは家づくりで一度は検討する価値のある戦略だといえるでしょう。

家を建てるとき、多くの人が「長く住む前提」で住宅設備を購入します。しかし実際には、家族構成の変化や転勤、介護などライフスタイルの変化が訪れることは珍しくありません。

こうした中で、給湯器を「自分で所有している状態」だと、転居の際に無駄なコストや廃棄が発生する可能性があります。しかも買ったばかりの給湯器を残して引っ越すことになれば、残存価値を生かせないまま終わってしまいます。

一方でレンタルであれば、設置時も撤去時も業者が対応してくれるため、将来的な変化にも柔軟に対応できます。加えて、常に最新の製品が導入されるケースも多いため、長く使っても時代遅れになりにくいというメリットも。

家づくりにおいては、「今だけを考える」のではなく、「これからの10年、20年を見据える」視点も重要です。給湯器をレンタルにすることで、将来の選択肢を広げることにもつながるのです。書をすぐ見られる場所に用意しておくこともおすすめです。

家づくりは夢の実現であると同時に、現実的な予算管理との戦いでもあります。どこにお金をかけ、どこで抑えるかは非常に重要な判断ポイント。すべてを買いそろえるのではなく、必要に応じて“借りる”という選択肢を取り入れることが、結果として家計にやさしい住まいを実現する手段となるかもしれません。

給湯器は、使う頻度が高く、寿命もある設備だからこそ、レンタルという手法がよく合います。予算に悩む方、より合理的な家づくりを目指す方は、**「給湯器だけレンタル」**という新しい選択肢をぜひ検討してみてください。