地震や台風、落雷など、突然の災害が起こったとき、私たちの生活は一瞬で不自由になります。中でも「お湯が使えない」という状況は、入浴・洗顔・食器洗いなど、日常生活に大きな影響を与えるものです。
近年は災害への備えの意識が高まり、「停電時や断水時に給湯器はどうなるのか?」という疑問を持つ方も増えてきました。特に給湯器のブランドとして根強い人気を持つパーパス(PURPOSE)製の給湯器について、「非常時に使えるのか」「どこまで対応できるのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、停電・断水という非常時におけるパーパス給湯器の対応状況を3つの視点から解説します。普段使いでは意識しないポイントこそ、いざというときに違いが出る部分です。いま一度、確認してみましょう。
停電時に給湯器は使えるのか?パーパス製品の動作条件
まず押さえておきたいのは、給湯器はガス機器であっても電気を使っているという事実です。たとえば、着火やポンプの作動、風呂自動運転機能などは電気がなければ動きません。
パーパス製のガス給湯器も、停電中は基本的に使用できません。
これはパーパスに限らず、ノーリツやリンナイといった他メーカーでも同様です。
特に次の機能は電源が必要となります:
- 点火用の電気供給(電装基板)
- 温度調整リモコンの操作
- 風呂の自動湯はり・追い焚き用ポンプ
- エコジョーズのポンプ循環制御
つまり、停電が発生すると「湯を出す」「追い焚く」といった操作が一切できなくなる可能性が高いのです。
ただし、例外もあります。
屋外型のシンプルな給湯専用タイプ(リモコンがなく、手動点火)であれば、非常時に“簡易的にお湯が出せる可能性”もゼロではありません。しかし、ほとんどの住宅に設置されているフルオート型やエコジョーズ型では、電源が復旧しなければ作動しません。
停電対策として、非常用電源(ポータブル電源・発電機)などを併用すれば一部復旧が可能な場合もありますが、正しく安全に接続するには専門知識が必要です。

断水時の使用可否と注意点|水が出ても「お湯」は出ない?
断水が発生した場合、パーパスの給湯器は基本的に使用できません。
理由はシンプルで、給湯器は水道からの圧力で水を送り込み、それを瞬時に加熱する仕組みだからです。
水が来なければ、ガスが使えてもお湯をつくる「材料」がないため、給湯ができないというわけです。
また、断水中にむやみに給湯器の蛇口を開けたり、電源を入れっぱなしにしていると、復旧時に水圧が急にかかり内部に負担がかかる可能性があるため注意が必要です。
給湯器の機種によっては、水がない状態で通電するとエラーが出ることもあります。
復旧後に使う際は、以下の手順を踏むと安心です:
- 水道が安定して出ることを確認する
- 配管からの異音や漏水がないか確認する
- 電源を入れてエラー表示がないか確認する
- 一度ぬるめの温度でお湯を出して、正常稼働を確認する
なお、追い焚き機能付きのふろ給湯器では、浴槽内に残っていた水の汚れが配管に逆流してトラブルを起こす場合もあります。断水後の最初の利用では、必ず水を張り直し、様子を見ながら使用しましょう。

いざというときに備えるには?日頃からできる3つの備え
パーパス給湯器は高性能で日常使いに便利な一方で、災害時には「電気」「水」の供給に大きく依存しています。そこで、停電・断水時に困らないための備えをあらかじめしておくことが重要です。
① モバイル電源の用意
小型ポータブル電源やソーラー充電器を用意しておけば、リモコンや電子基板の一時通電が可能になる場合も。ただし、接続には注意が必要なので、メーカーに対応の可否を確認しておきましょう。
② ポリタンクにお湯の代替を備蓄
給湯器が使えなくても、電気ポットやカセットコンロで沸かしたお湯をポリタンクに保存しておけば、洗顔や簡易シャワーなどに使えます。断水を想定した備蓄水(飲料用とは別)も必須です。
③ 機器の取り扱い説明書を見える場所に置いておく
停電・断水時の対処方法は、給湯器の取扱説明書に詳しく書かれていることが多いです。緊急時に慌てず確認できるよう、すぐ見える場所やファイルにまとめておきましょう。
また、パーパス公式サイトにも、型番ごとのエラーコードや非常時の対応マニュアルが掲載されていることがあるため、URLをブックマークしておくと便利です(※オフライン用のPDF保存も推奨)。

まとめ
普段は意識することの少ない「給湯器の非常時対応」ですが、いざ停電や断水が発生したときには、生活への影響が非常に大きいものです。
パーパス給湯器は高性能で日常使用には非常に快適ですが、停電時・断水時には基本的に作動しないという点は、事前に理解しておくべき重要なポイントです。
その上で、
- 非常用電源の備え
- 水のストック
- 正しい復旧手順の把握
といった事前の備えをしておけば、万が一の事態でも慌てず対応できます。
給湯器は「お湯が出ることが当たり前」の機器だからこそ、“出ないときの備え”が安心につながります。
いま一度、パーパス給湯器と暮らしを支える備えについて、家族みんなで話し合っておくのも大切です。

なお、給湯器マーケットでもレンタルサービスを展開しており、ご家庭の状況に合わせたご提案が可能です。給湯器選びでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。