給湯器を壊れにくくするには、温度設定が重要?
給湯器の寿命が気になるとき、「温度設定を60度にしておけば内部が清潔に保たれて、故障しにくい」という話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。確かに、給湯器の温度設定は使用環境や配管の状態に大きく影響します。この記事では、「給湯器を壊れにくくする温度設定とは?」「60度設定は本当に長持ちにつながるのか?」という疑問にお答えします。
1.給湯器の温度を60度に設定するメリットとは?
「給湯器 温度設定 60度」というキーワードでよく検索される理由の一つが、配管内の衛生管理にあります。60度以上に設定すると、レジオネラ菌などの雑菌が死滅しやすくなり、ぬめりや汚れの発生を抑制できます。定期的に高温でお湯を流すことで、配管トラブルの予防にもつながり、結果的に給湯器が長持ちするという声もあります。

2.60度設定を続けると、給湯器に負担がかかる?
一方で、常に高温で運転することが「給湯器の故障の原因」になる可能性もある点には注意が必要です。60度での使用は熱交換器や内部パーツへの負荷が大きく、劣化を早めてしまう恐れがあります。
【1】部品の熱負荷が増す
給湯器内部の金属部品やゴムパッキン、配管などは高温の水にさらされ続けることで経年劣化の速度が早まる可能性があります。特にゴム製のシール部分は、50度と60度では数年単位で耐久性に差が出ることがあります。
【2】熱交換器にスケール(湯あか)がつきやすい
水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムが、高温状態で「スケール」として熱交換器に付着しやすくなります。これが蓄積すると熱効率が落ち、負荷が増し、結果として故障のリスクが高まることがあります。
【3】機器の設計上の想定温度とのギャップ
多くの家庭用給湯器は45~50度あたりの使用を想定しており、60度以上での連続使用が長期間続くと、設計上の限界を超える負荷がかかる場合もあります(ただし、製品によって異なるため、メーカー仕様も確認が必要です)。
- 長期間ずっと60度設定のままで使用している
- 年1回以上の点検や洗浄をしていない
- 水質にスケールが多い地域である
という条件が重なると、高温設定が間接的に故障の一因になる可能性は十分あります。

3.給湯器を長持ちさせる温度設定のコツ
「給湯器を壊れにくくする方法」としては、普段は40〜45度程度の適温に設定し、必要に応じて一時的に60度に切り替えるという使い方がおすすめです。例えば、長期間不在だった後や、衛生面が気になるときだけ高温設定にすることで、給湯器への負担を最小限に抑えながら配管を清潔に保つことができます。60度設定では高温による火傷のリスクもあるため、小さなお子様や高齢者のいる家庭では特にご注意ください。

まとめ
60度設定は、給湯器の配管内の雑菌対策として一定の効果がありますが、常用するのは機器への負担も伴います。重要なのは、「給湯器の温度設定を使い分ける」こと。日常は低めに設定し、必要なときだけ60度にすることで、故障リスクを減らしつつ衛生面も維持できます。正しい温度管理こそが、給湯器を長持ちさせる一番のポイントです。
